Customize YOUR House! シンポジウム

2012年12月12日、 Sony CSLと大和ハウス工業株式会社、ヤフー株式会社の三社共催で「Customize YOUR House! シンポジウム」というイベントを開催しました。この会は、スマートハウスが普及して、ネットワーク経由での家電や生活情報へのアクセスが容易になってきたことを受け、これからは自分で自分の生活環境をカスタマイズしていこう!と訴えるために開催したものです。

大和ハウスでは以前から住宅APIという、住環境をいじるためのAPI体系を提供されてますし、ヤフーもHack dayやHackathonなどの開発系イベントを継続的に開催されておりハックやオープン化には敏感な企業です。我々のKadecotプロジェクトでも、少々異なった切り口ながら、住宅のいじれる化のための開発環境を作ろうとしていますので、今回仲良くシンポジウムの開催の運びとなりました。

この会は前半は壇上でのプレゼンが中心で前半の終わりにQ&Aのコーナーを設けました。後半はデモセッションでした。

前半ではキーノートスピーチを三人もの先生にお願いしました。一色先生と梅嶋先生はスマートハウスまわりで大変ご活躍の方で、技術の標準化や国際化にも非常にご尽力されています。もうひと方、椎尾先生は、以前より生活を便利で豊かに、楽しくするためのご研究を多数されています。
※お三方のプロフィールはこちらにあります。

私は前半でKadecotプロジェクトの経緯や現状をプレゼンしました。後半では、私自身のデモはしませんでしたが、椎尾研究室とSonyCSLで11/28に共同開催したHome Hacker’s Workshopの成果を大和ハウスのD’s Smart Houseでデモ発表して頂き、特に優れた作品に対して表彰式を行いました。

表彰は、学生賞3チーム、企業賞1チーム、総合優勝1チームで、それぞれSonyCSL、ヤフー、大和ハウスが独自基準で選出しました。

総合優勝は学生チームで、「チームアイドル」の「家電アイドル」が獲得しました。Kadecot Serverを使用したそうです。副賞は飲食券でした。

チームアイドルによる3分プレゼン

チームアイドルによるデモ(Home Hacker’s Workshop時点でのものです)

学生賞は3チームで、ひとつ目は「リズム家電」チームが獲得しました。こちらもKadecot Serverを使用したようです。副賞はWiFi Body Scale (クラウド対応の体重計)です。

リズム家電チームによる3分プレゼン

リズム家電チームによるデモ(Home Hacker’s Workshop時点でのものです)

※このプロジェクトに関しては、製作者自身によるホームページ(http://junkato.jp/ja/homehack/)が
存在しますので詳しくはそちらをご参照ください。

私が選出したので受賞理由を説明しますと、このシステムの真意は音ゲーで遊ばないと動作しない家電、というアプリのアイデアではなく、既存のWebアプリを特殊なプロキシサーバを介して書き換えることにより、いかなるWebアプリにも家電機能を追加できるという「家電マッシュアップ」の方式を提案したことにあります。
家電を、温度や照明などの環境を変化させる演出機器だと捉えると、それは様々な(既存の)ゲームやエンタテインメントの臨場感や演出効果を高めるのに即座に応用できるでしょうし、またそういった応用は、さしたる追加の実装や新しいアイデアを必要とすることなくハイクオリティなエンタテインメントを生み出してくれることでしょう。そのような家電利用法への道を開く具体的な方法を示してくれたという点で、私はこの作品を評価しました。

二つ目は、「ぼっちーむ」による家電Mod for Minecraftです。こちらはOpenECHOをそのまま用いたようです(ぼっちーむの徳久さんは、実はOpenECHOの開発者です)。副賞はKymera Magic Wand (杖を振るジェスチャーで家電を操作する赤外線学習リモコン)です。

ぼっちーむによるデモ(Home Hacker’s Workshop時点でのものです)

こちらは世界中で800万本を売ったという奇跡のゲームソフトMinecraftに、実世界の家電を操作できるエレメントを追加するというものです。実際のデモは照明とエアコンを動かすブロックがひとつづつ配置され、それをクリックすると家電が動作するものと、1クリックで複数の家電を同時に動かすというものでした。
Minecraft にはゲーム内に(バーチャルな)光センサーや、条件によって動作するロジックパーツもあるので、現実のセンサーとシンクロさせることで現実からゲームへの流れをつくるなど、より面白ことができそう、とのことでした。

Minecraft のユーザーの中には自分の部屋をモデリングしてしまった人もたくさんおり、現実のカウンターパートとしての利用価値を追求する上で、このModは公開されれば大きなインパクトを持つと思いました。OpenECHOを用いているので、ECHONET Lite対応機器があれば操作できるはずです。また、ライトとエアコンを同時に制御できる一つのエレメントも大変示唆的でした。バーチャルワールドにおけるモノが、現実世界のものと一対一に対応している必要はないわけです。物理的な制約がないバーチャルワールドで、人間にとって最適な家電ネットのユーザーインターフェースを考える上でも大変意味があると思いました。

三点目は「チーム女子力」による「ヒキコモリクエスト」でした。副賞はNASNE(SCEのネットワークレコーダー&メディアストレージ)です。

ヒキコモリクエストのデモ(Home Hacker’s Workshop時点でのものです)

こちらは、Kadecot SDKを使ってくれたものですが、発表会の時に私が単純に一番笑った作品だったので表彰させていただきました。「月曜日」というものを擬人化したところも面白いな、と思いました。倒しても倒してもよみがえってくるという…

いずれも非常に斬新で面白いアイデアばかりでした。惜しくも表彰からもれてしまった発表にも大変すばらしいアイデアがあり、正直どこを表彰すべきか非常に悩みました。ぜひHome Hacker’s Workshopの記事もご覧ください!

学生チームの記念撮影
最後まで残っていた学生チームの記念撮影です。

企業チームは、大和ハウス D’s Smart House内で開催されたヤフーのハッカソンの成果を発表しました。出展チームは3つありました。

企業賞を受賞したのは「歯ブラシ新生活」を開発した「パーチーム」です(ヤフーのチームはそれぞれ「グー」「チョキ」「パー」の名前がついています)。副賞としてiRemoconを獲得していました。
これは、まず鏡の前で歯みがきをはじめると、鏡の下に設置されたカメラが撮影した映像から個人認識を行います(なんと歯ブラシの色を画像解析しているそうです!)。そうして、その個人の趣向に合ったきっかり3分間の動画を、鏡の裏側に設置されたディスプレイ(ハーフミラーによって映像が見られるものです)から流し、3分間、つまり理想的な歯みがき時間を自然に確保します。その間に足元にある体重計(デモではWii Fitを使っていました)で体重を計測し、3分間経過後にグラフにして表示します。
日常の動作を一切邪魔することなく、行動を自然に理想的な方向へと導き、同時に様々な情報を取得し見える化するという、非常に完成度の高いシステムと言えると思います。

「歯みがき新生活」のビデオです。

これ以外にも音声認識から家庭内の空気を読んで適したBGMを流したり、本を読むとそれにシンク動作する「スマートリビング」や、NFCベースで家環境の操作をしたり、外出する家族の行動管理をしたりする「家族で協力し合う家」の提案がありました。詳細はヤフー自身による解説ページが現れることに期待しましょう!

このイベントは今後のスマートハウス向けサービスの開発を行なう上で、幅広く自由な場を設けて万人に開発に参加してもらうことで様々な優れたアイデアが出てくる可能性がある、ということを存分に示した大変有意義な会だったと思います。このイベントは今後も継続して開催していきたいと思いますし、椎尾研と弊社で開催したHome Hacker’s Workshopも今後も続けて開催していくことで、開発者コミュニティが形成され、家をカスタマイズするカルチャー普及のお手伝いができるに違いないと思っています。

記念写真
キーノートスピーカーの先生方、ヤフー社員や学生のハッカソン参加者、大和ハウスやヤフー、弊社の関係者などで最後に記念撮影をしました。

※記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。


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